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2010-08-18 06:00 | カテゴリ:法学(憲法)
今日は『らくらく行政書士 講義そのまんま。』をみていて、
憲法の間接適用説に例外の条文があげられているのを見て、
今まで意識していなかった事なので、その事について書きたいと思います。

●私的自治
直接適用説や間接適用説を説明する前に、
私的自治』と言う考え方を説明しようと思います。
国家-国民間に適用される規定が公法であり、
国民-国民間には私法が適用されるべきと考えられています。
よって、国民と国民の間の出来事に、
国は干渉しないのが望ましいという事になります。
この考えのことを私的自治といいます。

●直接適用説
直接適用説とは、間接適用説の反対の考え方で、
国民-国民間にも憲法を直接適用させるという考え方です。
この考え方は直接当てはめる事が出来るので、
非常に楽に使うことができます。
ただし、問題点として、
第1に『私的自治』をあまりに無視してしまい、
私的自治の原則や、
契約自由の原則の否定となるかも知れない事。
第2に国家権力に対抗する人権としての本質を、
変化させてしまう可能性などがあげられます。
そこで生まれたのが次にあげる間接適用説です。


●間接適用説

これは、憲法の人権規定を適用させるために、
1度憲法以外(民法の公序良俗等)の、
私法の一般条項を経由
して、
間接的に適応させる考え方です。
『憲法~条の理念からすれば~』
と言う形での適応であれば、
あくまで私法が適用された事になり
直接適用説の問題点が解消される事になります。
この学説が現在のわが国の通説になっています。

●間接適用説の例外
この間接適用説を採用するにしても、
そのまま憲法の条文が私人間に適用される場合もあります。
a.憲法15条第4項:投票の無答責
b.憲法18条:奴隷的拘束の禁止
c.憲法27条3項:児童酷使の禁止
d.憲法28条:労働基本権
これらの場合は直接憲法の条文が適用されます。

●間接適用説・直接適用説以外の学説

間接適用説・直接適用説以外の学説としては

無適用説
   憲法は特別な定めがある場合以外は、
   基本的に私人間に適用されないとする学説

憲法適用説
   間接適用説や直接適用説には大きな違いは無く、
   民法90条の公序とは、憲法が形成しているものであり、
   具体的な私法関係において、
   できるかぎり憲法の趣旨を及ぼそうとする学説

などがある。

【参照条文】
・憲法15条第4項
   すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。
   選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。
・憲法18条
   何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。
   又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、
   その意に反する苦役に服させられない。
・憲法27条3項
   児童は、これを酷使してはならない。
・憲法28条
   勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、
   これを保障する。

【参照文献】
・金子宏・新堂幸司・平井宜雄(編)(2010)
   『法律学小辞典 第4版補訂版』有斐閣
・芳賀啓寿・佐藤史子(編)(2009)
   『らくらく行政書士 講義そのまんま。〈2010年版〉』週刊住宅新聞社
・野中俊彦・高橋和之・中村 睦男・高見 勝利(著)(2006)
   『憲法〈1〉』有斐閣

【参考サイト】
・【電子版 六法全書データベース】法律条文 全文検索エンジン
   http://6pou.com/nph-index.cgi
   (2010年08月16日閲覧)


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